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「ねこパンチ2号」全国大会への想い
第二回全日本製造業コマ大戦準優勝チーム SWCN信州 中原健司

「ねこパンチ2号」全国大会への想い その4

最終形状のアーム(開く羽根)の形状が、ねこの手に似ていたことから、肉球のシールでも貼ったらどうかという意見があった。もしかすると憎まれ役になるかもしれないこのコマに、かわいい名前を付けようと思った。

「ねこパンチ」の誕生である。

そうこうしているうちに、12月末。アームの材質は、硬いヘビーメタルなので加工には時間がかかる。機構の確認のため、銅の試作品が上がってきた。

準備しておいたバネとピンで部品を組立ててみる。とりあえず、ガタもなく、開閉はするようなので一安心。

ところがこのコマ、すごく回しにくい。新潟場所に出場したコマとは難易度が桁違い。

ということで、年末年始は、コマ回しの技術開発!!!

1月4日、状況報告をかねて岡谷のガストで新年会。駐車場がいっぱいの店内で、おじさんたちがコマを回すのは、お決まりのSWCN状態。

技術開発の成果もあり、そこそこ強いコマができそうという報告ができた。

1月19日SWCN総選挙の日

私は、新潟大会コマの低速回転での粘りを改善したSWCN(1)とねこパンチをSWCN(2)としてエントリーした。当日まで、どんなコマが出てくるのか知らないメンバーからは、どよめきが起こった。9個のコマが総当たりで、上位9個で決勝を行うシステムである。ここで負けてしまったら、ここまでの苦労が水の泡である。

結果は、7勝1敗で1位だった。負けたのは、エイトさんの重量コマ。ただ、粘りタイプSWCN(1)も同率で3位となった。

1つのコマで行われた決勝戦、その後の、茨城大会上位のコマとの対戦を終えても、1つのコマは同率1位となった。粘りタイプSWCN(1)と、ねこパンチの直接対決では、ねこパンチが勝つ。しかし、重量級のコマとの対決ではSWCN(1)が勝つといった具合であった。

最後は、会場に集まったおよそ50人の挙手でどちらにするか選ぶことになった。私は、どちらを選ぶこともできないので、会場を出て結果を待った。

票は別れたものの、SWCNらしさで、ねこパンチと意見が多く、晴れてSWCN代表となった。しかし、まだ弱い!!!

1月30日NHK長野放送局の生放送

総選挙の時にも取材に来て頂いたが、SWCNの取り組みを「コマ相撲」として取り上げてもらえることになった。町工場に定時後集まるコマ好きの大人たち、コマを通じて広がるネットワーク。

NK精工小林さんが、放映に合わせて、総選挙で傷ついたアームをもう1セット作ってくれるという提案をしてくれた。もう1セット作るなら、同じものではなく、限界に挑みたい。

加工データのリミットまで2日、最初の設計で89gであったが、100g超えを狙いたい。アーム1個当たり5g増を目標に、限られたスペース内で、再設計を行った。

新しいアームをつけたのが「ねこパンチ2号」である。

そんな綱渡りをしながら、部品加工が終わったのが、2月2日の午前中。仮組みをして、スワニーさんにあるゲージで外径チェック完了。重量も100g越えを確認。

橋爪さんからは、大人げないと言われたが、曲者だから何をしてくるかわからない。ねこパンチだけの対策をしても、他のコマには勝てないのは彼はわかっているはず。

外観が「ねこパンチ」とは言えなくなったごついアームに貼るシール作り、回し易さを改善するスリーブなどを取り付け、当日を迎えることになる。

高校生の息子に、相手を想定した練習に付き合ってもらった。

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